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【HOW TO】初心者向けカメラのシャッタースピード設定ガイド

写真を撮ると「いつもブレてしまう…」「ピントが合っていない…」「なんか明るすぎる(又は暗い)…」などといった経験はありませんか?
そんな時はカメラの露出設定の一つ、「シャッタースピード」を理解して使いこなすことで、失敗写真を減らすことができます。
また「シャッタースピード」は写真表現の手段としても大きな役割を担っています。
適切な調整をすることで例えば
「運動会で走る子供たちの姿を、ブレずにバッチリ撮影できた」とか「滝の流れを滑らかな表現で撮影できた」「電車を流し撮りでスピード感あふれる写真が撮れた」など、一度は試してみたい写真の表現が可能となります。

本記事では、シャッタースピードの基本から応用まで、設定方法も含めてお伝えしていきたいと思います。

それでは「シャッタースピード」にフォーカス!

シャッタースピードの基本

シャッタースピードと露出の関係を理解しよう

シャッタースピードの考え方は単純明快。
カメラのシャッター幕が開いている時間のことです。

シャッターが開いている時間が長いほど、光がたくさん入って明るい写真になります。
逆に、シャッターが開いている時間が短いほど、光が少なく暗い写真になります。

例えば、晴れた日の昼間はシャッタースピードを速く(短い時間に)して、光が入りすぎるのを防ぎます。
夜や暗い場所ではシャッタースピードを遅く(長い時間に)して、光をたくさん取り込む事で明るさを確保できます。

  • シャッターの開き 長い=明るくなる
  • シャッターの開き 短い=暗くなる

そして光量の調整に付随して関係してくるのが、写真の表現に重要な効果である「ブレ」の度合いです。
シャッターが開いている時間が長いほど被写体を長時間写している事になるので、手ブレや被写体ブレが発生しやすくなります。
逆にシャッターが開いている時間が短いほど被写体の一瞬を写すため、手ブレ・被写体ブレを抑えて動きを止めたような撮影が可能になります。
この関係を先程の光量と合わせてまとめると…

  • シャッターの開きが「長い」明るくなる手ブレ・被写体ブレが発生しやすい
  • シャッターの開きが「短い」暗くなる =手ブレ・被写体ブレが発生しずらい

このようにシャッターの開く時間により、光量とブレの関係が生じるものが「シャッタースピード」となります。

シャッタースピードとF値・ISO感度の関係性

シャッタースピードは撮影シーンによって同じ露出設定である「F値(絞り)」や「ISO感度」との連携も重要になってきます。
特に「シャッタースピード」と「F値(絞り)」は「ブレ」「ボケ」の表現にも関係するため、互いの調整が写真の表現に直結する重要な設定です。

撮影シーンを想定して設定の仕方を表してみると、 

シャッタースピード・F値・ISO感度の設定例

撮影シーン「日中、外で遊ぶ子供を撮影したい」場合

  • 日中で充分明るいのでISO感度は常用の最低値まで下げて問題無し。
  • 動く子供を追いかけるので、手ブレを防ぎたいためシャッタースピードを上げる。
  • シャッタースピードを上げた結果、光量が足りないためF値かISOを調整して光量を得る必要がある。
  • 子供を際立たせたいため、背景ボケも狙ってF値を小さく(開放に)して光量を調整する事にする。
  • 自分が適正と思った明るさの設定でシャッターを切る。
  • 結果・シャッタースピードを上げたので手ブレ・被写体ブレを抑え、F値も開放にしたため、背景ボケも得られて子供をしっかり際立たせ撮影できた。

といったように、露出の三大要素である「シャッタースピード」「F値」「ISO感度」は撮影シーンによって互いを補い合い、撮影者の意図する撮影を可能にしてくれます。

シャッタースピードをコントロールするには

シャッタースピードを自分で調整するためには、カメラで調整が可能な撮影モードを選択する必要があります。
「オートモード」や「プログラムオート」といったカメラが設定を自動で行うモードは、自分でシャッタースピードを調整する事はできません。
また「絞り優先モード(AまたはAvモード)」もF値に関しては自身で調整できますが、シャッタースピードはその値によってカメラが自動的に設定するため、こちらも意図した数値に設定はできません。

シャッタースピードを自分の思い通りにコントロールするためには次の撮影モードで可能となります。

シャッタースピード優先モード【「S」または「Tv」モード】

引用:価格ドットコムマガジンより

シャッタースピード優先モードは、自分でシャッタースピードを決めることができるモードです。
モードの設定はカメラ軍艦部のダイヤルや液晶画面上で変更することが可能です。
またメーカーによって「S」「SS」または「Tv」モードと呼ばれます。

「S」「SS」=Shutter Speed 
「Tv」=Time Value の略。
どちらもシャッターを開けるスピード(時間)の調整という意味で、動作も同じです。

調整可能なのは「シャッタースピード」と「露出補正」となり、その数値によって「F値」・「ISO感度」はカメラが適正と判断した露出で自動的に調整されます。
とにかく動きの早い被写体のブレを抑え、露出はカメラ任せで撮影したい場合や、逆にシャッタースピードを遅くして流れるような表現をしたい場合などに適するモードです。

私は毎年失敗が許されない(汗)子供の運動会撮影ではこのモードを使って撮影しています。
とにかく手ブレ・被写体ブレを抑えて子供のベストショットをねらうためです。
露出はほぼカメラに任せて後ほどRAW現像で対応するといった感じです。

また先述のようにF値・ISO感度は自動的に設定されるため、意図して背景ボケを得ようとするには、このモードでは難しいと思われます。
背景ボケを得たい場合は「A(絞り優先)」モードを選択した方が良いでしょう。
また暗い場所や時間帯によっては、ISO感度が上がりすぎて画質が粗くなる場合も想定されますので、撮影シーンによって意識したいポイントです。

マニュアルモード(Mモード)

マニュアルモードはシャッタースピードに加え、F値・ISO感度のすべてを自分で設定することが可能な撮影モードです。

大半の人がこのモードは難しいという印象をもつかと思いますが、実はSモードやAモードに比べて露出決定の過程が簡潔的です(と私は思っています)
慣れてしまえばカメラを思い通りにコントロールでき、使いこなせば自分が思う露出表現も思いのままとなるでしょう。

マニュアルモードが有効かつシャッタースピードの調整を必要とする撮影シーンは、「星空の撮影」や「花火の撮影」などがあげられます。
ここでは詳しい設定方法などは割愛しますが、これらをきれいに撮影するにはマニュアルモードは欠かせません。

マニュアルモードが苦手とするシーンは被写体の動きが早く、とっさの設定が間に合わない場合でしょうか。
特に子供や動物の予想外な動きに関しては全ての設定が間に合いません。
そんなときは「S」モードで失敗を防ぐ方が良い場合もありますので、臨機応変に各モードを活用してみましょう。

マニュアルモードやその他の撮影モードに関しては別記事を作成したいと思っています。

被写体・シーンごとの適切なシャッタースピードとは

シャッタースピードの設定モードを確認したところで次に気になるのは、実際の撮影においてどのくらいのシャッタースピードに設定したら良いのかという事かと思います。

ワタシ的な結論は、「あなたの表現の仕方次第」…と言いたいところですが…

それではあまりにも乱暴な結論のように思われてしまいますので、一般的に言われている代表的なシーンごとのシャッタースピードについて、目安を見ていきたいと思います。
その時々の被写体の状況によって適正な数値は変わってくると思いますので、あくまで目安として参考にして頂ければと思います。

早いシャッタースピードを要するシーン

1.スポーツ

【SS目安:1/1000秒~1/2000秒】

被写体の瞬間の表情や動きを捉えるため、高速シャッターを要します。
サッカーや野球などボールを使う競技であればボールの軌道なども止めて撮影が可能です。
子供の運動会などもこのくらいの目安で設定すればブレによる失敗写真も減らせると思います。

Image by Keith Johnston from Pixabay
2.ポートレート

【SS目安:1/60秒~1/125秒】

表情や動きをとらえつつ、ブレを防げる設定範囲となります。
屋外で風が強いときや、モデルさんが走ったり動きを表現したい場合はこれに限らず、早いシャッタースピードに調整して撮影してみましょう。

UnsplashJurica Koletićが撮影した写真
3.野鳥撮影

【SS目安:1/250秒~1/2000秒】

野鳥も動きが早く、その動作も予期せぬ動きでカメラマンを翻弄します。
また野鳥撮影の場合、望遠レンズを使用する場合が多く、焦点距離による手ブレ対策も含めて高速なシャッタースピードが要求されます。
飛び立つ瞬間などを収めたい時は1/1000秒~1/2000秒はほしいところ。
また他の高速シャッターを要する撮影にも共通で言えますが、撮影のドライブモードは連写モードにして一瞬を逃さないようにすれば、ベストショットを得る確率が上がります。

Image by Beto from Pixabay
4.その他動きのある被写体 

【SS目安:1/500秒~1/1000秒】

走っている子供や動きのある動物、または水の流れの飛沫を止めて撮影するなどの目安。
被写体の速さに左右されるので、露出の関係と合わせて動きが止まるスピードを探って見ましょう。

遅いシャッタースピードを要するシーン

いわゆる長時間露光と呼ばれる、スローなシャッタースピードで撮影するシーンの目安です。
これらの撮影では手ブレが発生するため、ほぼ三脚やレリーズなどが必須となります。

1.夜景

【SS目安:数秒~30秒】

1秒以上のシャッタースピードになるため、手ブレ対策で三脚の利用を前提とします。
F値はそのレンズの開放値、ISO感度は画質重視で常用最低感度に(推奨ISO100~400)その上で適正露出となるようにシャッタースピードを調整するといった設定方法になるかと思います。
レンズの開放値にもよりますが、目安に示したようなかなりスローなシャッタースピードとなることと思われます。車のライトの光跡を狙ったり、色鮮やかな夜のイルミネーションなど、ブレを抑えたクリアな写真を目指しましょう。

UnsplashMarc-Olivier Jodoinが撮影した写真
2.星空

【SS目安:5秒~30秒】

基本的な設定は夜景写真の設定に近しいのですが、星という特性上、若干普通の夜景とは異なります。
星はかなり光量が少ない&地球の自転により動く(ように見える)という条件を考慮する必要があります。
よって設定としては
F値は光量を最大限取り入れられるレンズの開放値。
シャッタースピードは自転による星の動きを考慮し、広角レンズなら20秒~30秒・標準レンズなどは5秒~15秒で調整してみましょう。
シャッタースピードが制限されるため、足りない露出はISO感度を上げて対応しますが、上げすぎるとノイズが乗るので注意です。ノイズ対策的にはISO1600~6400くらいが推奨のようです。

Image by Kanenori from Pixabay
3.花火

【目安:バルブモードによる自由調整】

花火撮影の際には一般的にバルブモードを使用する場合が多いです。
バルブモードとは手動のシャッタースピード設定で、シャッターボタンを押したら再度シャッターボタンを押すまでシャッターを開けて露光できるモードです。
つまりカメラマンが任意の時間シャッターを開けておける設定となります。
これを利用して花火が上がった瞬間から、花火が開いて消えるまでシャッターを開けてその光跡を撮影します。
花火は思いのほか明るい被写体です。
バルブモードだとかなりの露出になるので、F値は絞って(F8~11とか)ISO感度も最低感度で良いかと思います。また夜間ですが場合によってはNDフィルターも活用します。

UnsplashArthur Chauvineauが撮影した写真
4.水流

【SS目安:1/30秒~1秒】

滝や川の流れをまるで絵画のような滑らかな流れに表現する撮影です。
目安の範囲で撮り比べて見ましょう。水流は他のスローシャッター撮影の中でも比較的早めのスピードですが、滝などは主に日中撮影が基本かと思いますので、光量によってはNDフィルターも活用しましょう。

ざっとこのように各シーンのシャッタースピード目安と、露光の設定方法も若干交えて説明させて頂きました。

ただし先にも述べたように、ここに上げたシャッタースピードの数値はあくまで目安です。
撮影時の諸々の条件によって調整しながら、自分が良いと思う適正露出が得られる設定を探ってみてください。

5. まとめ

シャッタースピードは、写真の明るさや表現方法を大きく左右する、カメラの基本設定の一つです。

シャッタースピードをマスターし、F値・ISO感度との関係性も理解することで写真の表現の幅が広がり、より自分のイメージに近い写真を撮ることができるようになります。

この記事を参考に、ぜひシャッタースピードを使いこなして、素敵な写真をたくさん撮っていただきたいと思います。

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